PONTAkun’s blog

自分の生きてきた経験や思いを素直に書いてます

目立たなかった練習生 ~第二話~

こんばんわ!!

 

さあ、お待ちかねの第二話ですよ!!

 

誰も待ってませんかね(笑)

 

ではスタート!!

 

 

僕は思い切ってSくんに話しかけてみました。

 

「あのさ、もし俺でよければだけどさ、よかったら一緒に練習しない??」

 

話かけた瞬間、Sくんの動きは少し止まりました(笑)

 

Sくん「あ、はい!お願いします。」

 

だけど、少しだけ明るい笑顔で返事をしてくれました。

 

僕は内心ホッとしたのを今でも覚えています。

 

Sくんと話した印象は大人しくてあまり感情を表に出さない、という風に見受けられました。

 

僕に実績はないけど一応はプロだったから、Sくんは自分のこと覚えてくれていました。

 

最初は一緒に練習するとは言っても、Sくんの動きを知るために軽いスパーリング(練習試合)を2ラウンドしてみました。

 

Sくんと初めてやってみた感想を率直に言えば、基本的なことをやらず我流でデタラメな動き、でした。

 

しかしそれは当たり前のことで、何故ならばトレーナーからちゃんとした指導を受けていなかったからです。

 

トレーナーの目にとまらないとやはり指導にも差が出てきてしまうのです。

 

ただ、Sくんは僕の中では予想より運動神経が良くスタミナもありました。

 

正直なところ不器用さは隠せませんでしたが、彼には真面目と素直さがありました。

 

「ひょっとするとこの子いけるかもな。」

 

僕の中でそう感じ始めていました。

 

しかし動きがデタラメに変わりないのだから、一から基礎を伝えることにしたのです。

 

Sくんは不器用なところが自分と似ていたため、この子にはトレーナーがみんなと同じように教えても伝わりづらいだろうなと感じました。

 

感覚の鋭い子は1のことを教えれば4、5と勝手に応用をきかせますが、不器用な子は1の教えに対して0.5もしくは1、良くて2です。

 

僕は言うまでもなく後者でした。

 

だから覚えるのに非常に時間がかかりましたし、何度も同じ練習を繰り返して自分なりに練習内容を解釈していきました。

 

自分に近いSくんには基本を掘り下げてさらに基本を伝えることにしました。

 

理解しやすいように自分が学んだことをより噛み砕いて分りやすく、自分も人より覚えが悪く苦労したんだから、相手の目線に合わせることは出来るはず、そう感じたんです。

 

たまにいるんですが、「何でこんなことが分らないのかが分からない」とか「なんでこの程度のことが出来ないのか理解ができない」という人がいますが、自分にはそういう人たちが冷たく感じました。

 

何故なら出来ない人の気持ちを理解しようとせず、見下しているように感じたからです。

 

残念なことに学校の先生の中にもいたぐらいです。

 

そういう態度をとられ続けた側として、伝える立場になったなら絶対そんなこと言いたくないと思いましたし、自分がが出来るようになれば分からない人でも目線を合わせて上手く伝えられるとも感じました。

 

だからSくんの気持ちが痛いほどわかるし、理解できるように何故その練習をするのか、そしてどういう効果があるのか、その動きは対戦相手からすればどのように写るのか、まずは動きでなく言葉で分りやすく説明することにしました。

 

そして嬉しったのが、Sくんは素直に僕の言うことを疑うことなく一生懸命やろうとしてくれたことです。

 

きっと気持ちが伝わったんですね。

 

こうして始まった僕たちの練習。

 

Sくんはその日以来、毎日真面目に自分との練習を頑張ってくれていました。

 

そして一カ月くらいたった頃、明らかに成長していると感じました。

 

「この子いけるな。」

 

僕の中で確信めいたものを感じました。

 

つづく